このごろの 写真家 中島宏章がわかります。
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標識の付いたコウモリ
 野生動物の研究をする上での基本中の基本。
 「個体識別」

 個体識別できて、ナンボ。みたいなところがある、野生動物の研究は。
 コウモリの場合は、前腕に標識リングを付ける。
 正直なところ、写真にする場合、標識は邪魔である。これは、本音である。美的感覚を削がれる感じがする。野生動物なのに、人間の手に掛かってしまった悲壮感が漂っている。苦労して撮ったコウモリも標識が付いているとガッカリさせられる。これは、本音である。だからと言って、僕は標識を付けるなとは言わない。言うはずもない。研究も写真(研究や図鑑の写真ではなく)もどちらも世の中に必要だと思っているからだ。コウモリに標識を付けるからには、何か目的があるから付けるのだろう。僕だって目的があるからコウモリの写真を撮っているんだ。
 
 標識の状況を示す為の写真であれば、標識が付いている個体の写真でなければならない。だから、邪魔にはならない、というか標識が付いていなければならない。

 ナショナルの蛍光灯にとまったウサギコウモリ(標識個体)を撮った。ウサギコウモリは、家屋をねぐらにする事も多い。特に北海道東部では、家屋のコウモリといえばウサギコウモリである。一方、道央や道南で家屋のコウモリといえばキクガシラコウモリやコキクガシラコウモリである。

 
左前腕に金属製の標識リングが付いているウサギコウモリ。
こだわる
 マッチャンからアイデアを頂き、それを実行するも、コウモリの方が上手であった。アイデアは素晴らしかったが、僕のやり方が”甘かった”。
 コウモリって実は頭が良い。目も良い。
 バカにしてると痛い目にあう。
 僕はコウモリや野生動物の事をこの上なく尊敬しているつもりであったが、まだまだどこかで「私は人間、あなたは動物」そんな風に思っているんだろうな。いや、そんな風に思っていていいんだろうけども。野生動物の”底力”を見切っていなかった僕の実力不足がこの結果だ。
 


 写真はただ撮れればいいんじゃない。
 こだわればこそ、そうゆうもんだろう。
 そう、ただ撮るために僕は行くんじゃないだぞ。
 わかったか、自分。
 

 こだわれよ、とことん。
 今はそうゆう時だぞ。

小石のお家
 ヒメグモの仲間、ツリガネヒメグモあたりかと思うが、未確認。クモ先生のイッシーに聞いてみなければと思いつつも、未だ聞いていなかった。早く聞いてみなければ。

 クモとはいえ、小石なんかでまあ律儀にお家を造ること。
 なんというか、それだけでオジサンは感動したよ。
 
 
 
アウトローなんですか 〜モンキゴミムシダマシ〜
 昆虫に、ゴミムシダマシ科というグループがある。(北海道弁で言うと)どこにも属ささってない、どこに属さすにも困るような種を寄り集めたグループ、それがゴミムシダマシ(属さないのは人間の都合だけど)。
 なんて、アウトローな奴らなんだよ……


RICHO GX200,キノコ食ってたモンキゴミムシダマシ

 キノコムシの仲間に色のパターンは似てるけど、触角が全然違う。まったく、変な触角だよ。しかも、”モンキ”は”色い”が由来と思われるが、どこが紋黄なんだよ……
 実にアウトローだねー。僕は好きだよ。
 
ウミバト の可能性あり
 以前から、我が国に冬鳥として渡来するウミバトついて、気になっていた事があった。
 図鑑に、冬羽が載っていない事が多いのだ。その代わりに夏羽が良く載っている。

 「意味、なくね?」

 と思っていた。冬に来るのに冬羽の状態が分からないんじゃ、分からないじゃん。そう、思っていた。
 
 ところが、道東。夏でもウミバトがいるんだな。
 図鑑の夏羽の写真、役に立ちました!!

 近くにいたケイマフリとの比較によりウミバトと判断したのだが、正直なところあそこまで遠いと、種同定をムリヤリしたところで、なんか腑に落ちない。曖昧さ加減全開である。この「曖昧」ってヤツは常に鳥見に付きまとい、これとの葛藤が、鳥見の醍醐味でもあるのかもしれない。
 
 
GX200のデジスコだがISOを上げると、このように目を覆いたくなるような画質である。
ハイタカがヤマコウモリを
 ヤマコウモリの観察をしていたら、薄暗闇の中を何かが通過!
 飛翔しているヤマコウモリを捕らえようとアタックする者の影!
 
「おっ!アオバズクか?
 いや、ツミっぽかったか?」

 とにかく、その鳥が逃げた木の傍へ行き、目をこらす。ぐっと目を見開く。なにせ暗いので、どこにいるかワカラン!もはや、ヤマコウモリどころではなくなってしまった。とにかく探した。何度も木の周りをうろついて、鳥の影をようやく発見。んで、ストロボをクリップオンでドン!と光らせ、撮ってみる。なんだよ、木のコブだよ!もう一度ようく探して・・・・・・・
 いたいた、これは鳥に間違いない。もう一度、ストロボをドン!
 

ハイタカの♀。
  
 ハイタカは全然逃げない。餌欲しさに人間にかまっている場合じゃないのだろう。その後も何度かヤマコウモリにアタックする。人間の僕が見ても、そりゃあちょっと無謀じゃあないっすか、という感じのハンティングぶり。案の定ハイタカはヤマコウモリを捕らえる事は出来なかった。しかし、オジロワシとかもそうだけど、猛禽類の狩りって、完璧なハンティングはそうそう無い。無謀なように(人間が)見えても、彼らには彼らなりの”勝算”があるのだ。意外とすんなりと、獲物を捕らえてしまう事もあるもんだ。それは、狙った個体の逃げ方がヘタだったり、病気で何やら元気がなかったり、色んな要因が重なっての事だとは思うけども。

 とにもかくにも、ハイタカもヤマコウモリを襲うんだなあ。と、ひとつ勉強になった。
 
カラフるんち
 キタキツネの糞。



迫り来るブユ
「エゾシカ〜!うしろ、うしろ〜っ!」


マダラっちゃん
 友人のbaikada氏は、言わずと知れたヘビ屋さんだ。いま、北海道でシロマダラを探そうと頑張っている。僕も何を隠そうヘビ好きなので、以前からシロマダラを北海道で見つけるぞ!と思っていた。
 しかし、こうゆう”超レア”なモノを探す時に問題となることが2つある。

 まず、1つめ
 「現実味」
 いる、って言われても、どこをどうやって探せばいいのか分からない。探したところで見つかるわけがない。現実味がないと、なかなか真剣に探せないのである。自分では真剣に探しているつもりでも、それは違う。現実味を持って探す時のそれと全く違う。「本当にいるんだ!」と確信を持って探すとモチベーションも全く違う。
 これは、枯葉コウモリを探す時と全く同じだ。枯葉コウモリなんて、僕が探し方をちょっと教えて、「絶対いるから、今日オレなんて15個体も見つけたんだよ」と言うだけで、その人は翌日には見つけてしまうものである。現実味を持って探すことの大切さが分かる。

 それから、2つめ
 「パターン認識」
 僕が野生動物を探す際に最も大きな要素だと考えているのがパターン認識である。パターン認識の凄さはまた日を改めてでも解説するとして、なぜこれが、問題となるのか?
 それは、「才に溺れる」からである。その道の専門家はパターン認識能力が通常の人より何十倍も優れている。例えば物凄く小さな昆虫なんかを車の運転中に見つけてしまう人がいる。いわゆる変態野郎である(僕は変態とかオバカさんとかは、最上級の褒め言葉だと思っている)。こうゆう人たちは頭の中がパターン認識でいっぱいである。だから人並み外れた発見能力を持っていると言える。しかしだ、これまでに例のないような事例に対しては、パターン認識を発揮できない場合が多いのだ。意外とビギナーがレア種を発見する事が多いのは、この為だと僕は思っている。

 今年は、マダラっちゃんの姿を見られるかもしれない。今からワクワクである。

 baikada氏の記事をごらんになりたい方は、こちら
 実際に写真があると、現実味が全く違う。baikadaさんのところから、シロマダラを発見した人のブログへ飛べるようになっている。たった1枚の写真だけで多くの人の心が動いたと思う。この写真を撮って公開した人は凄い人だ。見つけた人が一番エライ!というのが僕の持論である。
 もし、北海道でのシロマダラ情報をお持ちの方は、baikadaさんに教えてあげてください。
はぁ〜あ
あくびも出るさ
そりゃ出るさ