このごろの 写真家 中島宏章がわかります。
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本のための写真を選ぶ
 今度道新から出る本は、僕と同年代くらいの女性に喜んでもらえるようにイメージをしています。

 というのも、コウモリって女性に人気があるからなんです。本当にこればっかりは、なぜなのか分かりません。ですが、僕なりの(信用度は低し)統計結果では、かなりの割合でコウモリファンになるのは女性です。事実、コウモリ研究者にも女性が多いのです。

 ただ単に、女性の方が素直な気持ちを言葉で表現するからなのかもしれません。「かわいい」とか「うつくしい」とか。僕くらいの年代のオトコで「かわいい!」とか、「うつくしい…」と、素直に口にする人は少ないんじゃないかと思います。僕は昔から「かわいい!」とか「きれいだ!」とバンバン言いますけれども。なので、男性も興味を持ちながらもクチには出さないだけで、心の中ではきっと、コウモリ大好き、なんでしょうな。
 
 不思議なもので、講演会などで僕が「コウモリはかわいい」としつこく言い続けていると、「かわいいかも……」みたいな風に考えなおしてくれる参加者がおります。
 実際、コウモリは本当に可愛いので、その入口さえ突破してしまえば、コウモリの他の魅力(不思議さ、美しさ、奥深さ)にも気づいてもらえるようになります。さらには、身近な自然の意外な一面、ひいては、物事の捉え方の多様さ、などにも気づいてくれる人もいたりします。 
 今年は多様性、生物多様性、といった言葉が先走りしていますが、多くを認めながら包括的に物事を見定める、というのは、もともとアジア人の特権だと思います。個は常に他に影響されている、と考えるのが日本人なのだとしたら、何を今更「多様性」と言い放っても良いくらいだなと。なんだか、いきなり話が飛びましたね。よくわからないですよね。すみません。
 
 そんなこんなを考えながら、本のストーリーを組み上げ、写真を組み上げてゆく作業を必死でやっております。
  
 
 こればっかりは、時間をかければ良いというものでは無いのですが、それでも多少の時間は必要です。写真を組み上げる、なんて言っても、組み合わせなんて無数にあるわけなので、困ります。困ります、と言いながらも、これが一番楽しいのかもしれません。あーでもない、こーでもない、そうでもない。こうあるべき、するべき、やるべき。
 僕のやるべき事って、なんだろ?
 さぼらないで、仕事せっ! はい。すみません。
 
 どうも忙しいと別な世界へ逃げ込みたくなるのですよ。
 
 とはいえ、そんなサボっている時にこそ、良いアイデアが浮かぶものなのですが。
 
 
 
本の打ち合わせは体力消耗
 昨日、デザイナーさん、編集者さんと、今度出る本の打ち合わせに行ってきました。

 僕は7割〜8割ほど原稿を書き上げ、セレクト用に130枚ほどの候補写真を用意(ここからさらにBAT TRIPの20枚が加算されます)。デザイン会社さんの事務所でガチンコ打ち合わせです。写真ひとつひとつ、これはどういった写真なのか、僕が説明をしていき、その話の中で、僕の世界観を伝えるべく、感覚的で観念的な方向にも話が広がりました。なんとなく、そんな感じで本の核の部分がおぼろげながら見えてきた気がします。
 
 
 
 いつもながら、文章は褒められます。自分は文章が苦手だと思っているので、とても心外です。文章の良し悪しなんてものが僕みたいなモンに分かるわけがありません。ただ、人からの受け売りではなくて自分が経験したり、心から思ったことを、分かりやすい文章で、僕のように文章が苦手な人にも面白く読んでもらえるよう、一生懸命書き上げるのみです。Fauraでの連載も開始当初から文章が褒められましたが、写真の評価はそれほど僕の耳には入ってきませんでした。なので、ああ俺の写真は分かってもらえないんだなあ、なんて駆け出しのクセに生意気にも落ち込んだ時期がありました。我ながら生意気なんですよね、考え方が。困ったもんです。
 
 その生意気さが昨日の打ち合わせでも発揮されまして、今考えると、なんてワガママなことを主張していたんだと、自分でも反省です。とはいえ、自分の意見を最初から主張しないと、あとで後悔するし、良いものは出来ないはずだと、自分の力を信じて主張させて頂きました。それも、編集者さんが僕のことをある程度は認めてくれている、という自負と信頼が根源にあるからで、ワガママなことも言えてしまうのかもしれません。編集者さんは、そのへんに気を配らせながら、打ち合わせに望んでいるのかもしれません。ありがたいです。
 デザイナーさんからも本音がポロっと「いまどき、こんなに自由にワガママに本を作らせてもらえることなんて、ないよー」と……ほんと、すみません。

 僕は、どうも写真のこと(ことさら動物写真や自然写真のこと)になると、心の中の鬼が顔を出すようでして、デザイナーさんからも「今言ったこと、他じゃあ口に出しちゃ、いけないよ……苦笑」なんて含み笑いを浮かべながらクギを刺されました。ああ、自分が恐ろしいです。
 
 
 結局、本編の写真構成はデザイナーさんと僕とで、別々に考えて、今度の打ち合わせで、カチ合わせようということになりました。写真点数は50枚?60枚?それとも、もう少し厳選しようか、悩みます。デザイナーさんも「これは、ちょっと大変だわ……」と仰っていました。も、申し訳ないです。
 構成もあれだけ雑多な写真をどう組んでいくか、これから、自分の写真と向き合い、そして自分との戦いが始まろうとしています。
 
 
本づくりの苦悩→楽脳 Pt. めんこいんだお
  本にするのにRAW画像をたくさん現像しました。
 こんなに一気に現像したのは初めてかもしれません。でもnewパソコンはキビキビ動くし、windows7も快速なので快適です。
 
 本にするからには、コウモリだけではなく、色んな動物を登場させて、自然界とか生態系の”匂い”みたいなものを表現したいなと考えています。
 自然界の懐の深さをコウモリを通じてお見せすることができたら、これ幸いです。
 
 コウモリはめんこい(北海道弁で可愛いという意味です)のは当たり前としても(笑)、他の動物達もやはり、めんこいんですよね。そんなことは僕が言わなくても誰しもが知っているんですけど。
 とくにナキウサギなんて、超めんこい。仕方がないけど、これは仕方がない。笑
 まあ、よく言う、”反則”ってやつです。もう、可愛くないわけがない、というか。
 
 コウモリの可愛さを他の動物達と対等に受け取ってもらう為には、他の動物達の可愛さも同一で語りたい、と思っているのですが、どうでしょうか?やっぱりコウモリ以外の動物も見たいですよね??
  
 罪の無いかわいさ、という点で、文句のつけようもないナキウサギです。めんこいです。
 コウモリも大変めんこいのですが、講演などで自信たっぷりに「コウモリって可愛いですねー」と僕が言うと、クスクス笑いが起こります。講演会の僕の鉄板ネタとして使わせてもらっていますが、コウモリが可愛いというのが一般化してしまうと、そのネタも使えなくなりますね。考えものです。

 
 
本づくりの苦悩→楽脳 Pt.2
  いよいよ明日、本の打ち合わせです。
 僕はヒーコラと資料を作成しています。半泣き状態ですが、いつものことで、本当に切羽詰らないとエンジンがかかりません。
 
 昨日、近所でバッタリbaikadaさんと会いました。
 ここぞとばかりに、うちのヘビちゃんの冬越しについてアドバイスを頂こうと、我が家まで来ていただきました(半分、連行ですな。笑)
 
 偶然ですが、baikadaさんも北海道新聞でいま本づくりをしています。
 北海道の両生類・爬虫類のハンディ図鑑を出版しようとしています。
 北海道はヘビもサンショウウオもカエルも種類数が少ないので、図鑑となると1種、1種について、深く、濃い記述が必要になります。
 これこそが、いまの図鑑に欠けているものであろうと、僕は思います。
 図鑑、ってことで、やはり出版する側としては、何種類載っています!というふうに、種数が多いほうが良かれと思っているに違いありません。図鑑を買う側の意識もそうなのかもしれません。ところが、似たような図鑑が何冊あっても意味が無いわけで、広く浅く紹介する図鑑は、もうそろそろいいのかなと、僕個人は思っています。
 それよりも、なんてことのない、普通の種類の、基本的な生態とか、そんなんが載っていて欲しいんですよね。
 たとえば、なになにガエルは、どんなところで越冬をするのか?とか。
 産卵期以外はサンショウウオはどこにいるのか?とか、
 意外とこんな基本的なことが分かっていなかったり、図鑑に記述がなかったりしています。
 
 baikadaさんの現在製作中の図鑑の話を聞いていると、少ない種数がゆえに、1種1種詳しい記述がなされていそうで、とても面白そうです。ヘビやサンショウウオの魅力の核の部分を見ることができると言うか。自然って、動物って、面白いなあ、としみじみ思える内容になりそうな予感です。
 こういった図鑑って、北海道限定とはいえ、全国の皆さんに利用されそうだなあ、と淡い期待を勝手に抱いています。
 
 おお、ヤバい、僕は作業しなければですね。
 がんばります!

 
本づくりの苦悩→楽脳 Pt.1
 今週の金曜日に、編集者さん、デザイナーさんとの今度出る本の打ち合わせがあります。
 それまでに僕は文章を書き、写真のセレクトをし、それをサムネイル形式でプリントして持って行かなければです。
 正直なところ、楽しいんだけども、辛い!
 毎日寝不足(いつものことか……)、昼間も引きこもり状態です(元来出不精です)。
 いや、これを楽しいと言わずして何と言いますか。バチが当たりますね。
 
 デザイナーさん、編集者さんとお話しながら本の構成を詰めていくことになると思います。それには、僕がまず写真を用意しなければ始まりませんよね。当たり前ですが。
 
 今日(もう昨日か)、知り合いの写真家さんへ電話をし、いろいろとお話をさせて頂きました。松橋さん福田さん、ご両人とも本当にお世話になっている先輩写真家の方です。もちろん、お二人もタイプの違う写真家さんですが、めちゃ尊敬しています。いつも後輩を気にかけてくれるという点でお二人は共通しているかもしれません。
 お二人には本が作れることになりました、というご報告のお電話しました。お二人とも「そうか、よかったね」と言ってくれました。
 僕がお二人に聞きたかったのは……いや、これはまた今度の機会に書くとしましょう。
 
 あと、竹田津実さんにもご報告をしました。竹田津さんも「そうか、よかった。ひとつずつ、ひとつずつ、だ」との有難いお言葉をいただきました。
 お世話になっている方へ、どのタイミングでどのようにご報告をしたら良いのか、悩んでしまいます。特に大御所の目上の方へのご報告には、慎重に考えるがあまり、いつも行動が遅れてしまいます。
 
 はてさて、どうしたらよいのでしょうか!?
 
 
 
まさか!?本の出版が決まりました。
  ついに、僕にとっては初めてとなる著作の出版が決まりました。
 
 地元北海道では実に多くの自然系の本を出している「北海道新聞社」から出ます。
 出版は富士フィルムサロンの写真展に合わせて来年の3月末を予定。
 田淵行男賞受賞作の「BAT TRIP」を基本としたナカジーワールド全開の写真本にしたいと思っています。
 とにかく、編集者の方が僕の写真に理解をしてくださっていて、今回の話も編集者さんの頑張りによって決まったのです。企画会議では「コウモリって、どうなの?」という声も多々あったようです。しかし、編集者さんの熱意によって企画を通してくださったんだろうなと思います。 
 その編集者さんは、僕の写真を見て「コウモリだけ」を見ているわけではないんだと思います。「コウモリ」は代弁者であり、ストリーテラーであるということを理解し、その奥にある僕のメッセージを作品から読み取って頂いているのです。これは本当に有難いことです。

 まずは、ありがたい巡り合わせに感謝感謝です。
 
 来年、3月。
 という、かなりタイトな本作りの工程(らしい。とにかく僕は初めてなので分かりませんが)ですので、いつものように切羽詰った時の馬鹿力を発揮したいと思います!!!!!!